お前はわざわざ苦しいポーズをとっている。身体が固いのに頭の上に足を乗せようと奮闘している。毎日やっていれば身体が解れて行くだろうと思い込んで。なぜそんなに苦しんでまで続けているのか。お前は本当に身体を柔らかくしたいのか。周りがやっているか…
明日に控える試験のため地方に前泊している。 夕飯と銭湯を済ませ部屋でゴロゴロし単独行動を満喫しているはずなのに滅茶苦茶憂鬱になってきた。試験勉強は結局うまく進まず明日は記念受験レベルだ。またうまくいかなかった、と思ってしまう。この情緒不安定…
現在地が分からない。私は一体どこにいる?どこへ向かっている?何も分からない。ただ光に照らされた方へ歩いてみたかと思えば、照らされた光によってできた影に逃げるように駆け込む。これを延々と繰り返す。完全に光に支配されている。偶発的な出来事と、…
「小さい頃から、私は自分の家族があんまり好きじゃなかった。可愛がられなかった訳でもないんだが、なんというか、お互いの間に透明の膜が張られているような感じなんだ。触れられているのに、よく見ると、mm単位で見ると触れていない感じなんだよ。でも他…
「ほら、私に謝罪してよ」 「何…?急に…」 「この間のことだよ!あんた急に私との約束をほっぽって今日の今日まで何も言ってこない。おかしくない?流石に怒っちゃうよ。」 「あ…あれは連絡を入れたつもりが送信されてなくて…それに少し前に最近忙しくて疲れ…
今朝、道を歩いていると、曲がり角から女の子が泣きながら歩いて出てきた。友達関係か何かだろうか。安直に予想しながら女の子が出てきた角を曲がると、そこには車に轢き潰されたヒキガエルの無惨な姿があった。腸が露出しており、車の進行方向に合わせて赤…
自分で言うのも何だが、私は大人しくしていればそこそこの人生を送っていたと思うんですよ。普通に、周りに合わせて、何も余計な事は考えずに。この、”何も考えずに“という点が私にとって問題だったのだ。何も考えずに身の回りの出来事が起こり、終わり、進…
一人旅初日。本日は雨。折角の旅行だがあまり遠くに行くのも億劫なのでホテルの部屋で微睡んでいたところ、窓の外から突然かなり好みの格好いい曲が聴こえてきた。アルトサックスと金管楽器の音。吹奏楽部か?と思い近くに学校があるか調べるも見当たらず。…
午前2時、私は私の死体と対話する。布団に包まったまま、まだほのかに温もりが残る肉塊と私は一部屋を共有し、隣に座ったり、寄りかかったりしている。ひょっとしたらまだ生きてるかも…と布団を退かし瞼を開けてみるが、瞳孔は開きっぱなしだ。私とそっくり…
社会の例に倣い職探しをしていた。流れに身を任せすぎた結果そうなってしまった。しまった。私は将来的には仕事に就いて安定した収入を得たいが、職探しにおける私にとっての適正時期が世間とズレていると常々感じていた。何においても、適正時期でないとや…
今日の仕事が終わった。定時とともに足早にずらかる。ここの空気は最悪だ。ドブを啜ったような味がする。私の通勤手段は自家用ミニヘリコプター。身体の大きさギリギリに設計しており、搭乗した重みを感知して自動操縦により自宅へと導かれる。玄関は屋上だ…
先輩が死んだ。この旨のメッセージを受け取った時、何か身内での冗談が外部に漏れ出たのだと解釈し、くすりと笑ってしまった。この人たちは仲が良いなあと思ったりもした。数十秒後に続けて届いた通夜のスケジュールを見て、ようやく冗談ではなく事実だと認…
指示されたことを指示通りに間違いなく遂行する。つまらない日々。にも関わらず未完成な仕事ぶり。規律を破りたくなる衝動に駆られてしまう。私が本気で規律を破ろうものなら老舗の巨大組織などいとも簡単につぶせるだろう。気の向くままに災いを起こすのみ…
コオロギの朝、コオロギとして鳴く。貨物列車は道を逸れた。花畑に到着。無人駅。人間の代わりに虫がたくさん。終点、花畑駅。運賃は花粉団子。ミツバチ駅長が受け取ってくれる。子供を育てるため。ここには汚いものは何もない。雲一つない空、ネモフィラ畑…
家族全員で料理を囲み、夕飯を食べている。食べるのは好きではない。出来ることなら必要最低限の栄養を静注して生きていたい。経口での食事は娯楽、栄養の摂取は生存を目的としており、別々の行事である。と余計な事を考えていると、ふと家族の1人がおもむろ…
理解が私の仕事から抜け落ちている。何も分からなくなっている。ただ、目の前の現象を認識する。記録する。カメラとほぼ同じである。物を写す肉塊。何を見ても受け入れられる自信がある。私が見たものは全て真実であるため。ジャングルの奥底に佇む新品のウ…
どうもおかしい。迷い続けて約5時間。道がとうとう見当たらない。周りは等間隔に植えられた木々。昼から迷い始めたのですっかり夜。私の足下には常に空洞が付いてきている。動いていないと空洞に取り込まれてしまいそうだ。考えもなしに動くのは危険であるこ…
かつて、創造主の言うことは絶対であった。独裁政治を敷いており、反論するものなら撃ち殺されてしまった。残機は一機しかないので、撃たれてバラバラになった部品を必死にかき集め、無理やり一機として数えていた。撃ち殺されるのがたった1回であればどうっ…
高層ビルが刺さった街に降り立った。500 kmのビル、200 kmのビル、最も高くて820 kmらしい。ビルに見下される。目を合わせられないほどの高さであるはずなのに。壁の全てに目がある。どこにいても見下される。私は耐えられず地面を掘り、高層ビルの鉄骨から…
苦。苦しみ。苦悩。苦が多い。苦の具現化が部屋にいる。どこ出身の苦だろう。聞いてみた。何の返答もなかった。苦がまた増えた。苦をゴミ袋に入れても入れてもあふれてくる。ごみ溜めならぬ苦溜めの部屋。形のないゴミ。捨てる必要がある。形があれば物理的…
海に行った。海のことを書きたい。いつもの視線より200m以上高い位置から見た海。帰れそう。帰りたい。帰巣本能。飲み込まれるような黒い海。永遠に広がり、視点の高さから私がこの海すべてを仕切っているような気分。突然陸から海のど真ん中の上空に瞬間移…
推し。みんな推しが推しがと言っているが、一体どこからが推しなのか。私にも好きな芸能人はいる。顔重視。じゃあそれでいいじゃん。推しに至るまでの閾値が不明。どこからが推しでどこからが推しではないのか。はっきりしてくれ。命を捧げるほどでないとい…
イチゴの缶詰。臓物に近い見た目。そもそもイチゴの缶詰は存在するのか?調べたらあった。無知。存在しなかったら臓物に似てるからという理由で売り出していないことにするところだった。危ない。イチゴに失礼。ホコリが手を降っている。返事をしておいた。…
ローテンションな日。人とあまり話したくない日。そんな日もある。私はよくあるが。そういう時の配慮は難しい。ほっとけばいいと思う。1番の解決策。人の頭の上に今日の気分が色で分かるようになればトラブルが減ると思わないか。青はふつう。黄は少し神経質…
今日もやります。脳内アウトプット講座。今日も今日とて気分が悪い。今日に限っては昨日の酒のせい。木が倒れていた。持って燃やした。消し炭。バキバキ。黒いクモの巣。雨。いつの間にか土砂降り。雷。霹靂一閃。言ってみたかっただけ。失敗続き。ミス続き…
酒。酒。酒をのんだ。缶1つ。酒が弱いのにのんだ。気分が悪い。酔ったときはあんなに気分が良いのに。ひどい仕打ち。いやなことを全てわすれられる。過去も現在も未来も。至福。からの地獄。酒が強い家系に生まれたかった。アルコール分解酵素活性が高い人に…